『常陸国風土記』編さん1300年


古代の茨城の様子が生き生きとよみがえる

今に伝わる『常陸国風土記』の表紙。水戸藩士・西野宣明が校訂・編集した版本です。

 

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『常陸国風土記』とは

奈良時代の713年、元明天皇は全国の事情を把握するため、風土記編さんの詔を出しました。当時の日本は約60の国に分かれており、その国ごとの状況や文物を調べた風土記が天皇に献上されました。しかし、奈良時代の風土記の原本はどの地域のものも現存していません。それでも出雲国、播磨国、肥前国、豊後国、常陸国のわずか5つだけは、写本が現存しています。その中でも『常陸国風土記』は、東日本で唯一今に伝わる貴重な風土記なのです。

水戸藩だからこそ今に伝わった常陸国風土記

『常陸国風土記』には、どんなことが書かれているのかとても気になりますよね。茨城県立歴史館では、12月1日までギャラリー展「常陸国風土記1300年」を公開しています。ここでは、水戸藩に伝わった写本や、第9代藩主・徳川斉昭の命によって校訂本を出版したときの版木も展示されています。『大日本史』を編さんした徳川光圀を含め、水戸藩が歴史事業を重視したからこそ、『常陸国風土記』が今に伝わっているともいえます。

理想郷のように栄えていた常陸国

ギャラリー展「常陸国風土記1300年」では、全ページを現代語訳し、写真や解説を加えたパネルも飾るなどして、わかりやすく展示しています。そこには、「土地が広く、海山の産物も多く、人々は豊かに暮らし、まるで常世の国(理想郷)のようだ」と常陸国のすばらしさが述べられています。事実、周辺国に比べて人口も多く、大いに発展していました。その他、筑波山と富士山誕生の神話や、霞ヶ浦の美しさや人々の豊かな暮らしぶりなども書かれています。

 

『常陸国風土記』の中身。1300年前の茨城の様子が詳細に書かれています。

ギャラリー展では、全頁の解説・写真(左側)、発掘された東海道の断面(右側)を展示。

学芸員の解説も聞けます(要予約)。写真は茨城県立歴史館史料学芸部長・大津忠男氏。

『常陸国風土記』ゆかりの地を訪ねる

鹿島神宮(鹿嶋市)

武甕槌神(たけみかづちのかみ)をご祭神とする関東最大最古の神宮です。

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大串貝塚(水戸市)

文献に記載された貝塚としては世界最古。巨人「ダイダラボウ」とともに有名です。

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筑波山(つくば市)

富士山と比べて登山しやすい筑波山。その理由が『常陸国風土記』に書かれています。

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夫女ヶ石(つくば市)

筑波ふれあいの里内にある2つの巨岩で、それぞれの岩は男女を示すとされています。

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碁石の浜(日立市)

碁に用いられる美しい石が、今の伊師浜でとれるという記述があります。

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霞ヶ浦(土浦市ほか)

『常陸国風土記』では霞ヶ浦の美しさや、人々の豊かな暮らしぶりが書かれています。

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茨城県立歴史館

茨城の長い歴史について触れ、知ることの出来る施設。本県の原始古代から、水戸といえば外すことの出来ない徳川家ゆかりの流れ、そして近現代までへと続く長い歴史を示す貴重な資料や公文書までを収集・保存・調査研究し広く公開しています。歴史博物館と文書館、その両方の機能を併せ持つ施設として、1974年に開館して以来数多くの利用者が訪れます。緑豊かで四季折々の姿を楽しめる広い敷地内には、展示本館の他に江戸時代の農家建築「旧茂木家住宅」や明治時代の洋風校舎「旧水海道小学校本館」が移築復元されており、懐かしい風景を感じながらの庭園散策もオススメ。茶室や講堂も備え、バラエティ豊かなイベントも随時企画されています。

 

茨城県立歴史館
住所 茨城県水戸市緑町2-1-15
開館時間 9:30〜17:00 (最終入館16:30)
入館料 大人150円 大学生80円 高校生以下無料 ※特別展は別途
休館日 月曜日(休日の場合は翌日)年末年始ほか
お問い合わせ 茨城県立歴史館
☎029-225-4425

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