美味しいお蕎麦の季節です!常陸秋そば漫遊記


そばは交雑しやすく品種と呼ばれる純系個体が育ちにくいと言われています。そんなことから、かつては品種の区別が存在せず、その地区の名前を頭に付けて呼ぶことが多かったといいます。昭和初期に北海道や福島の在来種から育成された、牡丹ソバや信濃一号からはじまり、数は少ないものの日本には地方に眠る在来種を育成して品種に育て上げたそばが存在します。常陸秋そばもそんな在来種から誕生しました。前述したそばたち同様、古くから茨城県で栽培されていた金砂郷在来種を選抜して品種にしたのが常陸秋そばなのです。数世代にわたり、特に優れた実をつけた個体だけを選りすぐり品種化した常陸秋そばは、昭和62年に茨城県農業試験所から品種登録されました。色は濃褐色で粒揃いもよく、重量がしっかりとしており、安定して高い品質を保っていることから、日本一の品種と呼ばれることもしばしば。特に安定した美味しさでは特に優れており、全国のそば打ち名人たちから指名買いをされる貴重な品種です。そんな常陸秋そばの本場・茨城県で本当に美味しいそばと出会う食べ歩き・・・新そばの季節に漫遊してみませんか?

数々の講習会や実技試験を経て、はじめて入会することができる江戸ソバリエ「石臼の会」。その会員であり、茨城の美味しいそば食べ歩きに必携の一冊・ 「茨城のうまいそば84選」の選者として、またその編集者として茨城のそばを知り尽くす人物のひとり・長坂利之さん。そんな長坂さんに常陸秋そばの魅力を Q&A方式でインタビューしてみました。

Q.全国に名そばは数多くありますが、常陸秋そばの特徴を教えてください。

常陸秋そばは「金砂郷在来種」という、元々が素晴らしいそばの中から選りすぐりられたそばだけで作られた品種。ですから、一粒の重量があり、粒揃いが良く、 品質も優れているのが特徴です。他品種と比べても色、味、香りの評価が高いそばです。目で、鼻で、舌で楽しめる数少ないそばです。

Q.そんな常陸秋そばを美味しく食べさせてくれる茨城県のおそば屋さんの特徴は?

茨城県のおそば屋さんは、古くから地元で食べられている田舎そばを出してくれるお店が多いのが特徴です。田舎そばとはそばの皮まで一緒に挽いた挽きぐるみ のそば粉を使った太目のそばのこと。それを甘めの汁で食べます。でも、最近では細切・辛汁を基調とする江戸そばを食べさせてくれるお店も増えています。常陸秋そばを田舎そばと江戸そばの両方で楽しめる県といえるでしょう。また、江戸時代に夕食前のおやつとして発展してきた江戸そばと、食事として発達してきた田舎そば・・・。そんな両方のそばを楽しめる茨城県はそば文化の成熟した県のひとつだと思います。

Q.茨城県で昔から食べられている田舎そばの美味しい食べ方は?

田舎そばは多くの場合、甘めの汁に合わせています。そんな汁のときは、そばを汁にたっぷりつけて食べるのが美味しい食べ方だと思います。おそば屋さんの店主は皆、そばと汁のバランスを大切にしています。ですから、そば汁の味が甘いのか辛いのか確認し、汁が甘ければたっぷり付けて、辛ければ少しだけ付けて食べるのが良いと思います。もちろん、薬味もいっぺんに入れるのではなく、最初は薬味を入れずに楽しんで、徐々にひとつずつ、少しずつ加えて味の変化を楽しむのがいろいろな味を楽しめて良いと思います。ですが、そばは自由に食べるもの。お好きなスタイルで常陸秋そばの特徴のひとつ、香りの良さとともに楽しく召し上がってください。

Q.常陸秋そばのお店を選ぶコツはありますか?

これはのぼりや看板を目印に選ぶのが一番だと思います。時期によっては、他地域のそばを使っているお店もあると思うので、勇気を出してご主人に聞いてみるのもひとつかもしれません。また、季節限定のお店が多いのですが、茨城県で昔から食べられている郷土料理のひとつ「けんちんそば」を出しているお店を探して食べるのも良いと思います。茨城でそばが美味 しいのは水のきれいな地域であることも由来しています。茨城の地酒とともにおそばを楽しめるお店を探すのも良いかもしれません。

精進料理であった「けんちん」に習い、肉系は一切加えずに作ったけんちんそばは1,100円です。

常陸秋そばを生産農家とともにブランド化した立役者。
常陸秋そばを語るなら絶対に外せない一軒!!

一軒のそば屋ながら、常陸秋そばの品質向上とそのPRに尽力した人物・渡辺維新さんの営む村屋東亭。大正7年から続く老舗の3代目の渡辺さんは、常陸秋そばが品種として確立する以前から常陸太田市の旧金砂郷地区を含む、周辺農家を訪ね歩き常陸秋そばを買い付けるなどしてきました。そんな渡辺さんの打つそばは、もともとそば粉に含まれる水分を見極めながらじっくりと対話するように打つことで美味しくなるといいます。挽きぐるみながら細身のそばは、特に色合いに優れほんのりと緑色。ひと口すすれば口の中に広がるその香りは特筆です。つけ汁とかけ汁でダシを変えるなど、味に対する妥協は一切ありません。まずはひと口体感してください。

新そばの美味しさを味わうならやっぱりせいろ(800円)は外せません!

ご主人の渡辺維新さん!常陸秋そばは旧金砂郷地区のものを中心にブレンドして使います。

手打ちそば 村屋東亭
住所 鉾田市安房1418
営業時間 11:30~17:00
定休日 水曜(月1回程度の臨時休業有)
問い合わせ TEL:0291-32-3173
駐車場
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実家で育った野菜や天然の山菜などを駆使した野菜天せいろ(1,250円)は店の一番人気!

実家がそば農家の若手主人が営むお店。
季節感を出したこだわりそばが楽しめる

そばまさの主人の実家は常陸秋そばを育てるそば農家。そのため、この店では実家で収穫された常陸秋そばを自家製粉してそばを打ちます。そんなこの店のそばは3種類から選ぶことができます。ひとつは甘皮を含んだ挽きぐるみの粉で打った、喉越し抜群の細打ち。もうひとつは外皮まで一緒に挽きぐるみに加えた野趣溢れる田舎そば。そして、この店の名物のひとつでもある柚子の皮を加えたゆずきりです。特に新そばの季節に常陸秋そばを楽しむなら、細打ちでせいろを、田舎そばでけんちんがオススメ。特に旬を感じることのできる野菜天せいろはこの店の実直さを確かめるには最高のひと品です。自家製野菜と常陸秋そばの新そばで旬を満喫できます!

野菜の旨味をギュッと詰め込んだつけけんちん(1,200円)は野菜たっぷり。滋味深い大地の味を!

店主・平塚政幸さん!そばに他の粉は混ぜたくないと十割にこだわります。

生粉打ち そばまさ
住所 水戸市浜田1-2-45
営業時間 11:00~20:30(20:00LO)
※平日は15:00~17:00まで休憩有
定休日 木曜(祝日の場合営業し翌金曜休)
問い合わせ TEL:029-231-7398
駐車場 有り
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細切りそば(800円)が人気です!もちろんそば通なら十割そばも見逃せません!

そばの実ひと粒ひと粒へのこだわりを感じる!
抜群のロケーションとともに絶品そばを食す

絶景の紅葉スポットとしても名高い月待の滝。滝の裏側に入れる裏見の滝としても有名です。その脇に居を構えるのがここもみじ苑。特にそばの収穫地を公開していないもみじ苑ですが、実は常陸秋そばに強いこだわりを持つお店のひとつです。自社開発したカラー選別機を使い、色の良いそばの実を選りすぐってから自家製粉。メニューの中には選別機を通したほんのり緑色がかった美しいそばもあります。ちなみに、そばの実の色は酸化の度合いによって変色します。ほんのり緑色を呈しているということは鮮度が保証されている証拠なのです。そして、もみじ苑のそばはその食感にも特徴があります。喉越しの柔らかさとコシのある歯ごたえのある粋な仕上がりです。

 

甘皮を多めに挽いた太切りそば(800円)は力強く素朴な味わいです。

山菜・とろろ・なめこの3種類の味が楽しめる八溝三昧そば(1,000円)はまさにここだけの味わい。

月待の滝 もみじ苑
住所 久慈郡大子町川山1369-1
営業時間 10:30~19:00
定休日 水曜(但し11月は無休)
問い合わせ TEL:0295-72-3993
駐車場
[googlemap lat=”36.810003″ lng=”140.373754″ align=”undefined” width=”330px” height=”400px” zoom=”15″ type=”G_NORMAL_MAP”]茨城県久慈郡大子町川山1369-1[/googlemap]

 

常陸秋そば漫遊記ページ一覧
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