支援作品

棚の隅

棚の隅
撮影時期
2006年6⽉1⽇~13⽇
ロケ地
ロケ地詳細
監督・出演
監督 ⾨井肇さん、
主演 ⼤杉漣さん、内⽥量⼦さん
配給・放送局等
上映・放送日
2007年9⽉22⽇(⼟)〜10⽉5⽇(⾦)

作品概要等

直⽊賞作家 連城三紀彦原作の短編「棚の 隅を映画化した珠⽟の愛の
名作。夫婦だった中年の男⼥が再び出会い,互いに新たなスタートを切るまでの
葛藤を描く。

★監督の紹介
 ⾨井 肇
1973年,⼤洋村(現鉾⽥市)⽣まれ。
鉾⽥⼀⾼卒業後,成城⼤学⽂芸学部に⼊学。映画研究部に⼊部し,多数の作品を
制作。
卒業後も制作を続け,1997年に制作した8mm作品「ささやかなこころみ」で
第2回⽔⼾短編映像祭でグランプリを受賞。
その後,審査員であった本県出⾝のプロデューサーである武藤起⼀⽒の主宰す
る「ニューシネマワークショップ」に参加。
今回,「棚の隅」で35mm劇場⽤⻑編映画デビューを果たし,全国10都市以上で
の公開の他,カナダ‧モントリオール世界映画祭にも正式招待された。
鉾⽥市在住。

=== ⾖知識 ===
◆⽔⼾短編映像祭
短編映像に焦点を当てた映画祭で、平成9年度にスタートし、今年度で11回⽬となります。短編映画のみに⽌まら
ず,CMやアートフィルムなど様々な映像を紹介する「招待上映部⾨」と、新しい才能の発掘を⽬的とした「コンペテ
ィション部⾨」があります。コンペティション部⾨では、グランプリ1作品,準グランプリ2作品程度を決定し、⽇本
における監督デビューするステップとして,受賞監督が劇場デビューするまでをサポートしています。
今年度は、9⽉15⽇(⼟)から17⽇(⽉)の⽇程で⽔⼾芸術館において開催されます。
⽔⼾短編映像祭公式HP http://www.mitotanpen.jp/

◆モントリオール世界映画祭
「新しい才能の発掘‧育成と、映画を通じた相互理解の促進」を⽬的として、1977年にカナダのモントリオールでスタ
ートした映画祭で、世界10⼤映画祭の1つになっています。毎年70カ国超える国々から作品が出品され、これまで日本映画としては、『鉄道員(ぽっぽや)』(1999年)で 俳優⾼倉 健⽒が 主演男優賞を 、『いつか読書する⽇』(2005年)が審査員特別賞を、奥⽥瑛⼆監督の『⻑い散歩』(2006年)がグランプリを受賞しています。今年は、8⽉23⽇(⽊)から
9⽉3⽇(⽉)の⽇程で開催されました。
「棚の隅」は、“Focus on World Cinema”部⾨に正式参加作品として招待されました。

◆「棚の隅」プロダクションノート
〜 抜粋 ~
1 映画『棚の隅』の企画は,3⼈の出会いから始まった。
テレビを中⼼に活躍していた脚本家‧浅野有⽣⼦,⾃主映画監督‧⾨井肇,そして,書籍編集者‧⼩池和洋。
肩書きも活動の場もまったく違う3⼈が ,劇場⽤映画づくりの夢を叶えるべく,企画の検討に⼊ったのは,2003年冬。
その時点で,3⼈には 映画界に 知り 合いはいず,製作資⾦のあてもなかった。
まったくのゼロから映画はつくれるか? ――挑戦というより,無謀な試みはしかし,プロデューサーを務める⼩池が
直⽊賞作家‧連城三紀彦の⼩説「棚の隅」を原作として提案したところから,少しずつ具体的な形になってゆく。
原作権の取得は誰に連絡すれば良いのか? 原作料は? そうした疑問を後回しにしてとにかく⾏動は開始された。
⼩池が連城⽒の現住所を調べ,原作を映画化させてほしいこと,製作の体制はまったく整っていないことを正直に⼿紙
に書いた。その返事は,連城⽒本⼈からすぐに返ってきた。
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第⼀の壁は,こうしてクリアした。

2 原作は,1985年に 発表された原稿⽤紙30枚ほどの短編。おもちゃ屋を営む主⼈公のもとに突然あらわれた元妻,そ
の⼼の葛藤を淡々とした筆致で描く原作は,⽂字通り「何も起らない話」。このシンプルな物語を,どのように映画化す
るか?
原作の映画化である以上,原作をリスペクトし,その世界観を映像で再現するものでなければならない。しかし,主⼈
公の内⾯描写がほとんどを占める原作を,どう映画というエンターテインメントに改変するか。初の劇場映画の脚本を
⼿掛ける浅野は,そのプレッシャーに果敢に挑戦した。
物語後半の遊園地のシーンをオリジナルで創作し,主⼈公と元妻の対⾯を,観覧⾞のゴンドラという密室空間に設定し
て,緊迫したクライマックスを作り上げた。
脚本化の作業に2年が 費やされ,決定稿は完成した。
原作者‧連城⽒は,完成した浅野の脚本を読み,「⽇常の愛の⼩ささが⼤きな意味を持つ短編が書きたかった。その想い
を脚本家が代⾛してくれて実現できた。とてもデリケートな『隅』を持った,本当の味わい脚本だ」との感想を寄せ
た。

3 並⾏して,予算組み,スタッフ編成,キャスト交渉などの作業が⾏われた。
低予算でも映画がつくれ,回収も容易。スポンサー側からのビジネスプランを実現するために,直接製作費は500万
円,宣伝費や興⾏費を含めても,1000万円以下という厳しい条件になった。
⼩池,浅野,⾨井の話し合いの中で,ヒロイン「擁⼦」役に,浅野が脚本を⼿掛けたテレビドラマに出演していた新
⼈‧内⽥量⼦の名前があがった。映画は初出演であるが,内⽥の凛とした佇まいと,勝ち気な⽬の⼒に,監督‧⾨井は
擁⼦を託す決⼼をする。

4 物語の柱となる主⼈公‧康雄のキャスティングには,⼤杉漣の名前があがる。だが北野武,塚本晋也,黒沢清ら
錚々たる映画監督たちの作品で圧倒的存在感をみせる名優‧⼤杉漣が,この超低予算作品の主演を引き受けてくれる
か? 
ダメでもともと,⼤杉の事務所をマスコミ電話帳で調べた⼩池が,オファーの連絡をとったのは,2005年6⽉のことだっ
た。
やりとりは翌年まで続き,⼤杉が決断した。――「この話,引き受けさせていただきます」。
⼤杉は後に,マスコミの取材に対して語っている。「脚本の淡々とした雰囲気に,映画になった時の魅⼒を感じた。セリ
フで説明するんじゃなく,映像で説明するところが映画的だなと思ったんです。脚本を読んだ時点で,やりたい気持ち
は固まっていました」。
こうして,映画『棚の隅』は,⼤杉漣主演作品として,急速に準備が進められていった。

5 スタッフも「この⼈と組みたい!」という想いを優先した。
キャメラマンは,『ヴァイブレータ』『blue』など秀作を連打している鈴⽊⼀博に⼿紙を書き,依頼した。最近は『⼩さ
き勇者たち〜ガメラ』などの超⼤作もこなす鈴⽊だが,ローバジェット作品での⼯夫ぶりや,デジタル撮影の第⼀⼈者
と評される技術の⾼さが, 『棚の隅』の深みのある画⾯づくりに⼤きく貢献している。
ちなみに,本作の撮影に使⽤された機材は,ビクター「GYーHD100」。⾼精細デジタルハイビジョンのコンパクト機種
で,⽇本ビクター株式会社の厚意により提供されたもの。すでに『東京⼤学物語』(江川達也監督)など複数の劇場⽤映
画の撮影に使われている。

6 撮影は,2006年6⽉1⽇クランクイン,13⽇にクランクアップした。
厳しい製作体制ゆえに,クランクアップを危ぶむ声もあったが,撮りこぼしも事故もなく,撮影は無事,終了した。
撮影隊の移動距離は2週間で1000キロにおよび,ローバジェットの制約をくつがえす,変化に富んだロケーションをお
さめることに成功した。

7 映画『棚の隅』に華を添える話題の⼀つに,シンガーソングライター‧榊いずみ(橘いずみ改め)が書き下ろした
主題歌「つまらない世界」がある。
「失格」「サルの歌」「永遠のパズル」などのヒット曲で知られ,結婚を機に芸名を改めてリセットスタートをきった彼
⼥が,得意のアコースティックギターを⽣かした,余韻のあるバラードをつくりあげた。
「つまらない世界」は,2007年3⽉リリースの新アルバムに収録されている。

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