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五浦観光ホテル(北茨城市)

東京からたった2時間ちょっと。四季折々、海と山と湖の恵みを満喫できる茨城へ、小旅行に出かけませんか?
旅の拠点にぴったりの素敵なお宿と、1泊2日で楽しむモデルプラン。観光いばらき編集部が実際に宿泊して、皆さんにご案内します♪
日帰りじゃ遊びたりない。おいしいものもいっぱい食べたい。ゆったり羽を休めたい。そんな「特別」や「おもてなし」、「くつろぎ」を約束してくれる、いばらきのお宿。わたしたちが自信を持ってお勧めします。

今回は茨城県の海岸沿い最北端に位置する北茨城市が旅の舞台。太平洋を望む壮大なパノラマビュー、花木が四季折々を鮮やかに彩る「花貫渓谷」など、海と山どちらも見どころ豊富です。日本近代美術の父・岡倉天心や日本画家の大家・横山大観、「しゃぼん玉」などの童謡詩人・野口雨情など文人墨客が親しんだ地であり、芸術の造詣が深いスポットとしても知られています。そして忘れてはならないのが、珍味として名高い深海魚のあんこう。地域に脈々と受け継がれる北茨城ならではのあんこう鍋が市内各所で味わえます。
旅の拠点となる五浦観光ホテルは、そんな北茨城での休日を際立たせてくれる安息の場所。北茨城屈指の景勝地である五浦海岸沿い、観光名所の五浦六角堂や天心邸の程近くに佇む温泉旅館です。一枚絵のようなダイナミックな景観と貴重な美術品が各所に散りばめられた数寄屋造りで純和風の本館と別館大観荘があり、どちらも日常から解放してくれる空間。旅情をそそるくつろぎの時間がそこにありました。

PM3:00

チェックインの前に、五浦観光ホテル別館に隣接する特別室「大観記念館」を見学。横山大観の旧別荘を移築したもので、大観が実際に愛用した筆や絵皿などが展示されています。数々の傑作が誕生した空間、それらを生み出した巨匠の道具に囲まれ、日本の芸術に思いを馳せる…。そんなひとときとなるに違いありません。五浦海岸の二つの入江を同時に見られる贅沢な風景も必見。中は多数部屋があり、7、8人以上で予約すれば宿泊も可能です。画家や文豪、美術愛好家、親戚一同や仲間内で利用するリピーター客も多いのだとか!

実際に宿泊に利用されている特別室は、タイミングが合えば見学OK!

特別室には専用の貸切露天風呂も。さざなみや松が風にそよぐの音に耳を傾けながらゆったり♪

大観がオーダーメイドしたという晩酌用のラタンチェア。なんと実際に利用できるんです!

PM3:00

茨城県天心記念五浦美術館、六角堂のある茨城大学五浦美術文化研究所など、海と芸術文化に親しめるエリアに位置する五浦観光ホテル。今回は別館大観荘にお泊り♪「ようこそ、いらっしゃいませ」という歓迎の言葉と爽やかな微笑みで迎えられ、早速チェックイン!辺りを見回すと、天井高のラグジュアリーなフロントやロビー、さり気なく飾られた名画や名書の数々に思わずため息。まるで美術館のような雰囲気。期待で胸が高鳴ります。

フロント上部に注目!展示されているのは、天心の愛弟子である下村観山の大作!

ラウンジの一角には横山大観の作品が並ぶギャラリーコーナーも常設。

生け花家元教授である女将・村田和華子さんの豪華絢爛な作品がお出迎え

五浦観光ホテル別館は100室もあり、崖に沿った階段状の造り。スタッフの案内によって、ワクワクしながら南端のお部屋へ。入った途端に飛び込んできたのは、五浦海岸の老松と白波、そして六角堂。横山大観の名画「五浦の月」の世界に入り込んだかのようなベストビューを独り占め!私が泊まったお部屋は格天井と欄間が美しい純和風。2部屋もあり、どちらもゴロン!と大の字になれる程の広さ。何もしない贅沢と開放感がたまりません。

スタッフさんとの何気ない会話を楽しみながら、お茶を飲んでホッと一息。

海岸沿いに佇む六角堂を部屋の中から一望。フォトジェニックでSNS映えしそう!

眼の前に遮るものなく広がるオーシャンビュー。日常の喧騒を忘れられる大海原の景観が最高です!

温泉の入口は、フロントの真横。アプローチを少々歩けば、ホテル自慢の天然温泉「大観の湯」です。本館の「五浦の湯」は日本庭園を眺める露天風呂ですが、こちらはお部屋と同様、雄大な太平洋の眺望抜群で圧巻のロケーション!朝靄の中で陽の光が波の上できらめき、夜は漁火のネオンが彩る…。その景色は毎日表情を変えるため、「何度来ても飽きない」と評判なんです♪源泉かけ流しのナトリウムカルシウム塩化物泉はサラッとした泉質。体の芯までポカポカになり、肌は美容液をつけたかのようにツヤツヤ。海との一体感を満喫できる風情ある温泉でした。

お部屋にある浴衣やバスタオルを持参。アプローチを抜けて、いざ「大観の湯」へGO!

露天風呂は2012年秋にリニューアルオープン。洗練された贅沢な和の空間です。

本館の庭園露天風呂はまた異なる趣きです。

PM4:30

湯浴みを楽しんだ後は、ロビーで抹茶を堪能。「茶の本」を通じて日本の茶道を欧米に紹介していた岡倉天心。そのゆかりの地で日本茶の文化、一期一会の精神を発信をしたいと、希望する宿泊客全員に振る舞っているのだとか。ほろ苦い抹茶と甘い和菓子を口にして、「日本人に生まれて良かった…」としみじみ。感慨にふけっていたら、何やらフロントに人だかりが。なんと板前さんがあんこうの吊るし切りを実演!毎年11月から3月のあんこう鍋の時期は、毎週金土日曜日でパフォーマンスしているそう。サービス精神旺盛のおもてなしの数々に大満足です。

「作法云々はそれ程気にせず、日本茶の世界を楽しんで下さい」と女将の知世さん

実は茶道を習っていた私。きめ細かいクリーミーな泡立ちで、とっても美味。

北茨城で水揚げされたピチピチのあんこう。スタッフの解説付きなので、あんこうの部位も学べるんです!

PM6:00

一日目のラストを飾るのは、お待ちかねの夕食。今回いただいたのは、地産地消をテーマに新鮮な素材、四季折々の郷土の味が振る舞われるコース料理。北茨城は対流がぶつかる潮目の近くで、あんこうを始め、アワビ、ウニ、伊勢エビなど多種多様な魚介類が水揚げされる豊かな地域。この日のお造り、炊合せ、天ぷら、炊き込みご飯などには、料理長が厳選した旬の地魚が!じっくり煮込まれた「カサゴの煮つけ」は、六角堂を模したような里芋が添えられる粋な演出も。ついつい目も舌も踊ってしまいます♪冬期は旬のあんこう鍋を追加する人も多いのも頷けます。海産物に注目しがちですが、茨城ブランド肉のメニューも充実。上質な常陸牛、ローズポーク、奥久慈しゃもの仕入れも欠かさないそう。女将の和華子さんはソムリエの資格保持者で、各料理に合うワインも勢揃い。オススメをセレクトしてもらうのもGOODです。

繊細な盛り付けや鮮やかな器に感激!お腹をペコペコにしていた甲斐がありました!

茨城が誇る常陸牛は陶板焼きで。バターでコク深く焼き上げ、ごまポン酢でパクリ。

見た目も豪華な伊勢エビのみそ汁。一尾を丸ごといただいちゃいました!

冬季限定メニューのあんこう鍋。北茨城に来たなら是非とも味わって頂きたい美味しさです!

季節の食材を炊き込む釜飯は、茨城県産コシヒカリを使用。この日はショウガを効かせたしらすとキノコで!

夕食のお供は地酒の「大観」。地物の食材、特にあんこう鍋との相性もピッタリ。

五浦六角堂は日没から21時までライトアップ!光と歴史的名所が織り成す幻想的な光景です。

AM6:30

太平洋に面したオーシャンビューの部屋の醍醐味、それは水平線から昇る朝日を望めること!早めに寝床して、日の出時刻の30分前から待機。静寂の中、次第に辺りが明るくなり、遂に真っ赤に燃える朝日の姿が!言葉を失うほどの絶景。思わず感涙してしまいました…。朝食までの時間は、周辺の観光案内をチラ見。少々まったりしたら、朝風呂へGO!夜とは打って変わって、青々とした海が広がる様は格別。異なる趣に触れ、心がじんわりと満たされていくのがわかります。11月には露天風呂から見える岸壁一面を珍しいハマギクが染め上げるのだそう。また訪ねる理由が一つ出来ました♪

暁に染まる五浦海岸の景色は心が洗われるよう。感無量です。

朝日を浴び、お茶を飲みながら、ホテル一押しの観光スポットをチェック!

冬の朝の露天風呂は、差し込む朝の光と湯気が揺らいで絵画のような光景。

AM07:30

朝食会場を訪ね、名札のあるテーブルに着席。すると用意されたのは、心和らぐ和食。玉子焼、焼海苔、焼魚など定番の一品に、地元水産会社特製の揚げかまぼこ、毎朝作りたての豆腐、オリジナルの五浦納豆が五感を大いに喜ばせてくれます。丁寧な手仕事を感じる滋味豊かな味わいは満足の極み。茨城県産コシヒカリのご飯は、白米かわかめご飯が選べ、お味噌汁もお腹を満たすまでいただけます。女将さんの「お好きなだけ召し上がって下さいね」の勧めに遠慮せず、どちらも一杯ずつおかわりしちゃいました♪

朝食で評判の揚げかまぼこは、ロビーにある売店で販売中。お土産に人気なのも納得の旨さ!

出来たての五浦納豆は柔らかく、まろやかな風味。お好みで薬味のネギを混ぜて。

開放的で風情ある朝食会場。ゆとりの空間で、心ゆくまで食事が楽しめます。

AM10:00

後ろ髪を引かれる中、荷造りを済ませて、ロビーにある売店へ。北茨城を始め、県内各地や隣接する福島県で人気のお菓子や加工品、婦人服まであるバラエティー豊かな品揃え。「どれをお土産にしようかな?」と買物熱がヒートアップ!女将さん曰く、部屋で振る舞われる塩羊羹や各部屋で使用されている小ぶりな急須も意外と好評なのだとか!チェックアウトをした後は、私の姿が見えなくなるまで、女将さんやスタッフの皆さんがお見送りを!特別な旅を叶えてくれた五浦観光ホテルに感謝♪また心の充電をしに帰ってきたいと思います!

ロビーの一角にある売店。茨城に来たからには押さえておきたいお土産が充実!

茨城県内のコーヒー店と茨城大学が共同開発したご当地コーヒー「五浦コヒー」も販売中。

部屋に置かれたおもてなしのお茶菓子「塩の舞」。絶妙な塩加減が美味。まとめて購入する人が続出!

旬の旅ガールおすすめ!周辺観光SPOT
五浦六角堂

東京美術学校(現・東京藝術大学)の創設や博物館の整備を通じて、日本の近代美術の礎を築いた岡倉天心。明治後期にこの地に居を構え、その住まいは「茨城大学五浦美術文化研究所」が天心遺跡として維持管理しています。その中にある六角堂は、天心の思想を深めた部屋。広大な太平洋を一望でき、荒々しい岩に白波が砕け散る景観を眺めながら、思索にふけったと言われている六角形のお堂です。天心自ら設計し、大波を見る東屋という意味を込めて「観瀾亭」と命名されました。きっと後世に残る独自の思想の多くは、この六角堂で生まれたに違いありません。実際に天心が愛用していた建物は東日本大震災の津波によって消失しましたが、2012年に再建されています。

北茨城市大津町五浦727-2 4月~9月/8:30~17:30、10月、2~3月/8:30~17:00、11~1月/8:30~16:30(入場は閉館時間の30分前まで) 月曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月3日 0293-46-0766 300円(中学生以下は無料)※団体(20名様以上)は250円

再建された六角堂は、2013年の天心生誕150年を記念し、樹齢150年の杉を使用!

料亭の古材を再利用して建設された天心邸。侘び寂びを感じる洗練された佇まいです。

国登録有形文化財に指定されている長屋門が入口。杉皮葺きの屋根が特徴。

 

北茨城市漁業歴史資料館 よう・そろー

華やかな装飾をした木造船「大漁丸」が街の中を約500人の手によって引かれ、木枠の上を滑走。船底がこすれ、木が焦げる匂いや煙も立ち込める…!そんな大迫力の国選択無形民俗文化財「常陸大津の御船祭(おふねまつり)」は、佐波波地祇(さわわちぎ)神社の春の例大祭。海上の安全と大漁祈願を込めて5年に1度開催され、2019年5月2日に「宵祭」、3日に「本祭」が行われます。よう・そろーでは実際に使用される「大漁丸(祭事船)」が常時展示中。大津港漁港の漁師が扱う漁具やまき網漁法等の解説、東日本大震災の津波の記録なども紹介されています。

北茨城市関南町仁井田789-2 9:00~17:00 水曜日(祝日の場合は翌日) 一般300円、65歳以上200円、学生100円 0293-46-8600

2階の展示室では、あんこうの各部位や鍋の種類を、映像、模型などでわかりやすく解説!

北茨城を語るのに欠かせないあんこうと地元漁業の歴史が丸わかり!

大津港漁港から程近くにあるよう・そろー。物産館や市場食堂も隣接しています。

 

ガラス工房シリカ

北茨城を一望できる童謡の森ふれあいパーク内で、気軽にガラス工芸が親しめる工房。吹きガラスやとんぼ玉、マドラーを作るバーナーワーク、好きなデザインのグラスが作れるサンドブラスト、リューターなど、ガラスの魅力が存分に味わえる体験が評判です。館内には藤田喬平氏をはじめ、国内外で活躍するガラス作家の作品が鑑賞出来る展示室やシリカオリジナルのグラスやアクセサリーが購入出来る売店があります。また、ラウンジコーナーでは景色を眺めながら極上の時間を過ごせます。

北茨城市華川町小豆畑2747 9:00~16:30              吹きガラス体験 2,700円 第1、3水曜日 0293-42-3550

吹きガラス体験は一輪挿しやグラスなど4種類の形と6種類の色から選べます。

体験はスタッフがサポートしながら行うので安心してガラス作りを楽しめます。

売店では北茨城名物のあんこうのペーパーウエイトをはじめ、アクセサリーやグラスなどバラエティ豊かなガラス作品が販売中!

 

五浦観光ホテル

〒319-1702 茨城県北茨城市大津町722
TEL 0293-46-1111

  • チェックイン 15:00
  • チェックアウト 10:00
  • 施設備考 駐車場有(無料)/レストラン/ティーラウンジ/ナイトクラブ/夜食コーナー/宴会場/会議室/大浴場/露天風呂/売店/自動販売機/送迎バス/マッサージサービス
  • 予約 公式ホームページより予約可
女将 村田和華子さん、村田知世さん

五浦の自然が織り成す風情ある景観、日本近代美術の歴史を肌で感じられる。そんな非日常感を食や温泉でも演出し、安らぎの和の時間をお約束します。情緒あふれる優美な旅をご満喫いただけますよう、真心込めておもてなしをさせていただきます。

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